ブックタイトル宅建協会50周年記念誌

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宅建協会50周年記念誌

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宅建協会50周年記念誌

各委員会活動報告7女性部会さて研究テーマ“高齢者の資産活用及び住環境の調査”ですが、これから高齢化社会を迎えるにあたり変化していくであろう、高齢者の住環境の現状を調査研究し、把握、今後自分たちが迎えるための高齢化対策、その中でのビジネスの可能性、社会貢献(協会で高齢者の住み替え相談室の設置等)を念頭に調査を進めていきました。そこでまず高齢化社会の整備が進んでいるというアメリカのラスベガスとサンフランシスコに各自自費で行き、高齢者專用の高級住宅から低所得者用の住宅施設まで多くの物件を見て廻りました。県内も同様に実施し、その中でとても印象に残ったことがあります。沖縄の施設では入居者の方々は世話をして頂いている。高齢者を弱者のようにやさしく、もしくは子供に対応するように接するのをよく見かけます。しかし私たちが見学したアメリカの施設では一切そのようなことはなく、世話をしている人たち全員が、仕事をさせて頂いているという姿勢で、大事なお客様にサービスを提供し、たとえ障害を持っていようと、人として尊重し、一目置いて接していました。たとえ老いても人としての尊厳、人格がしっかり守られている、そのように感じました。私が老いたときも同じように接してもらいたいと心から思いました。さて様々な施設を廻り勉強会を実施して、5年間でわかったことは、日本の高齢者対策はまだ始まったばかりで医療・介護・高齢者用専用住宅等、今後大きな社会問題になっていくのだろうということでした。高齢者の増加に対し行政の取り組みは追いついていくのだろうか、弱者にしわ寄せはこないのだろうか、漠然とした不安を感じました。そのような中で、今後我々の仕事と関連していくのが高齢者向け賃貸住宅だと考えました。高齢者は持ち家の比率は高いのですが、介護の問題や、単身生活での安全・利便性の確保、持ち家管理の煩わしさ等で住み替えが拡大し、不動産市場に新たな流れがおきると予想されています。まず高齢者向け賃貸住宅事業の市場見通しとしては、・団塊の世代が75歳以上になる2025年のピークに向けて拡大・入居者の男女比は男性約3割弱、女性約7割強(平均年齢80歳前後の健常者)・70代80代の女性が主力で、その女性たちに選択される住居・高齢者向け賃貸住宅はサービス提供の事業・高齢者向け賃貸住宅は地域密着のエリア事業・高齢者向け賃貸は地域の活性化、再生の核となりうる事業<参考資料>(財)不動産流通近代化センター上記で述べたように、高齢者向け賃貸住宅はこれから拡大していく成長産業であると言われており、女性の不動産業者も活躍の場が広がっていくのではと期待されています。調査するほど問題の大きさと深さを感じ、女性部会のみでの調査では十分な報告はできませんが、特別委員会女性部会の研究報告としてここに記しておきます。高齢者専用住宅に入居されている方々と共にアメリカの中間層の施設県内の高齢者施設視察会118 130